【重伝建】
白馬村青鬼

白馬の山奥にある静かな山村集落です。



青鬼集落は、スキーや避暑地として知られる白馬村の北東端、岩手山の山腹に位置する山村集落です。
標高750m付近に11件の民家が軒を連ねる小規模な集落。全戸が茅葺(鉄板被覆)の大型建築で、形状がほぼ統一されています。白馬のようなリゾート地でありながらアクセスの悪さゆえか開発を免れており、このような統一された家並みは非常に貴重な光景です。
集落の東側には棚田が広がります。石垣づくりの立派なもので、『日本の棚田100選』にも選ばれています。晩春の朝には雄大な白馬連峰を背後に、朝焼けのシーンを見ようとカメラマンが多く集まるみたいですね。
訪問したときは冬場だったため、畑は雪の下でした。
脇の倉庫に大量の雪解けサイダーが並んでいました。涼しげな画ですが、外は極寒です。

この集落の名の由来ともなった、お善鬼様伝説というものがあります。
岩手山の東には戸隠村、鬼無里村があります。昔、鬼の居ない鬼無里村に鬼のような大男がやってきて村人たちを苦していたため、村人はこの大男を岩手山の底なし穴に閉じ込めたそうです。その後一人の旅人が青鬼集落を訪れた際に戸隠に鬼のような大男が来て村人を助けて喜ばれていると伝えたことから、穴を通じ戸隠の下を通ったときに魂が入れ替わったのだろうと思い、この鬼のような大男をお善鬼様としてあがめる様になったとのことです。
訪問時は正月飾りが残っていました。

青鬼集落にはこのお善鬼様を祀る神社があります。
小規模な祠ですが、きちんと整備はされているようです。
参道は集落からさらに山を登ったところで、冬季は雪に埋もれています。

日が陰った青鬼集落は、より山間らしい深みが増し、静寂な空気につつまれています。観光ルートから外れたことで景観を保ってきた青鬼集落。これからもこの落ち着いた景観が保たれるとよいですね。
軒に干し柿がありました。



クセス
JR大糸線 信濃森上駅より徒歩50分
駐車場有(500円)
訪問時は信濃森上駅より徒歩で向かいましたが、登山中に運よく郵便配達の軽バンに出会い集落まで送っていただきました。
その際に伺った話だと、冬季の青鬼集落の定住人口はゼロで、大半の住民は麓との2拠点生活をしているようです。
駅から集落までの途中には姫川第二ダムがあります。ついでに訪問してみてはいかがでしょうか。



文化庁
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/hozonchiku/pdf/r1392257_039.pdf
ガーデンプラネット
https://www.garden-plat.net/matinami/twon/twon33.html

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