【ロゴ変遷】
Crockett&Jones


別注でもお馴染み

こんにちは、桜木です。
今回はセレクトショップでも広く見かける、クロケットアンドジョーンズのロゴ変遷を紹介します。



ロケットアンドジョーンズとは?
1879年創業の、英国を代表する靴ブランドのひとつ。靴作りの町として有名なノーサンプトンに本拠地を置いています。ブランドネームは創業者のチャールズ・ジョーンズ氏とその義理の兄弟、ジェームス・クロケット氏のファーストネームから採られています。
元々有力ブランドのOEM請負で実力をつけたブランドで、現在でも幅広くブランド別注を受け入れています。現在英国で別注を受けているのはクロケットとあとはトリッカーズとアルフレッドサージェントぐらいで、セレクトショップで見かける英国靴といえばまずクロケットではないでしょうか。
かつてはチャーチより高めの価格帯でしたが、チャーチがどんどん値上がりしたため現在は逆転しています。しかし、過去の名残で中古相場はチャーチより高めです。




旧ロゴ

おそらく60年代前半までの製造と思われるロゴ。都市なし期のチャーチとディテールか酷似している点と、後述のSWANクロケの製造年代から60年代に旧ロゴへ移行していたことがほぼ間違いないため、このロゴが出てきたら60年代前半までと考えて間違いないでしょう。




このロゴはまず見かけません。そして、50年代の靴は革が硬めであることが多いので、出てきてもクラックにまみれている可能性が高いです。探して見つかるものではないので、見つけたら幸運くらいに考え深追いしないことが吉です。



ロゴ

60年代後半から80年代初頭までの製造と思われるのがこの旧ロゴ。出てくる靴の雰囲気がチャーチ2都市とよく似ているため、同時期の製造と思われます。
旧ロゴ時期のクロケットアンドジョーンズはもちもちとした革質できめが細かく、一般受けがよさそうな質の良さです。現行のエドワードグリーンよりも旧ロゴクロケットの方が革はいいでしょう。弾数としては、探せば見つかるかも、ぐらいです。2都市チャーチと同じくらいか、もしくは旧ロゴクロケットの方が少ないかなあという印象です。
こちらはSWAN社とのダブルネームのペア。SWAN社は1940年代まで存在したシューズブランドで、クロケットアンドジョーンズのレディス靴の前身のひとつです。このSWAN社とのダブルネームのペアは1960年代まで製造されており※1、少なくとも60年代にはこのロゴが使われていたことがわかります。
SWANクロケは、レディスでビンテージ靴を入手することができる貴重なブラントです。

さて、このロゴの末期ですが、80年代末まで製造が続いていればもう少し見かけてもいいだろうと思うので、遅くとも80年代前半には現行に移行していたのではないでしょうか。この辺りは勘です。どなたかご存じなら教えてください。



行ロゴ

おそらく80年代には移行しており、以降30年近くに亘ってつけられていると思われるロゴです。ずいぶん息の長い話ですね。ブランドネームも大きくてわかりやすく、それでいて高級感もしっかりありますので、ブランドロゴとしての完成形なのかもしれません。



ンドグレード

ハンドグレードはクロケットアンドジョーンズの高級ライン。高級と言っても皮革が良くなるというよりは、ソールがヒドゥンチャネルになったり、ソールのコルクが密になったり、インソールのぬめり感が増したりと見えないところが高級になっている印象があります。
ロゴも型押しの小ぶりなもので、たいへん高級感があります。
高級ラインと言っても定価で10万強で、チャーチを新品で買うよりも安いのが現実。デザインも豊富ですし、余程チャーチに思い入れが無かったらハンドグレードのほうがお買い得じゃないかなあ…とどうしても考えてしまいます。



ロゴ期の代表モデル1選

旧ロゴクロケといえばこれ、というモデル、WOODSTOCK2です。旧ロゴクロケットでは出てくる半数はこれではないかと思うほどのド定番モデルです。現行ロゴが付いたペアも出てきますが、現行ラインナップからは外れています。
ウッドストックといえばかの“ウッドストック・フェスティバル”が1969年ですので、なんとなく70年代初頭に登場していそうなモデルですね。。
この3アイレットダービー、チャーチのJERMYNと酷似しており、おおかた同じ年代に流行ったモデルだと思われます。JERMYNが出てくるのは2都市時代ですので、そこから考えればWOODSTOCKが生産されたのも80年代半ばまで、現行ロゴへの移行は80年代前半と考えるのが自然かなと思います。

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すび

いかがだったでしょうか。
クロケットアンドジョーンズのビンテージ品は、チャーチほど数も多くなく、年代も不明な点が多々あります。そこで、同じ英国のチャーチと比較することである程度年代を推定するのもなかなか面白いですね。
特に旧ロゴのクロケットアンドジョーンズはきめも細かく、多くの方が想像するような“良い革”を体現したようなペアが多々見られます。興味があったら探してみてくださいね。



※1 昔はクロケットアンドジョーンズの公式サイトに記載されていたと記憶していますが、現在は見つけることができませんでした。

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