【革靴紹介】
東欧靴を履こう!


独自色豊かな東欧靴ブランド6選!


こんにちは、桜木です。

今回のテーマは東欧靴。東欧靴は東欧の靴工房の集積地ブダペストや、東欧文化の大消費地ドイツを中心に、独自の発展を遂げています。
東欧靴といえば盛り上がったトゥにフルブローグの通称“ブダペスター”。サイドが立ち上がった崖のような形状に加えて、ブローギングを施すのが東欧流です。
欧州にありながらアメ靴のようなボリューミーさもあり、コーデが物寂しいときには大活躍間違いなしですね。

本日はそんな東欧ブランドを6つ紹介します。



HEINRICH DINKELACKER

東欧靴の雄、ハインリッヒディンケラッカー。ドイツを代表する紳士靴ブランドです。
“靴のロールスロイス”とも呼ばれる装飾豊かなスタイルが特徴。
特にアウトソールの烏仕上げと飾り釘は、同ブランドのアイコンともなっています。
日本での代表的なラストはRioとBudaですが、なかでもBudaは写真のようにお手本のようなブダペスターが楽しめます。なお、ドイツ本国では素直な紳士靴も幅広く手掛けています。
1879年の創業から、140年以上の歴史を誇るディンケラッカーですが、1960年初頭にブダペストに工場を設立しており、以降長らくドイツ資本・ハンガリー製の時代が続いていました。現在生産はスペインへ移ったようですが、ブダペスターは健在です。
2021年には大阪に日本初の直営店がオープンするなど、これからも日本における東欧靴の『顔』としての立場は続きそうです。



Eduard Meier

ディンケと並んでドイツを代表する紳士靴ブランドであるエドワードマイヤー。1596年にミュンヘンで創業され、400年以上もの歴史を誇ります。最高級ラインのレッドタンを除いて、既成靴はクロケットアンドジョーンズ製もしくはオールデン製(コードバン)のOEM品です。
バイエルン王室からワラントを授与されており、インソールには3つのワラントが輝いています。OEMとは言えどもラストは専用のものを使っているようで、紳士短靴では東欧譲りのもっこりとしたブダペスターが楽しめます。しかし、手持ちには今ジョッパーブーツしかありません。そのうち写真を差し替えたい……。
基本的にドイツ本国でしか入手できないため、国内で買うためには中古流通品を狙うことになります。
ジョッパーブーツの萌えポイントといえばやはりここですよね。




VASS

1978年にハンガリー・ブダペストで設立された靴ブランドです。かつてより東欧の靴づくり集積地であったハンガリーの技術力を、ブランドを主宰するラズロ・ヴァーシュ氏が取りまとめて世界的ブランドへと成長させたもので、紹介したブランドの中でも“真の東欧靴”であると言えます。
VASSのインハウスラストである、Budapestラストや3636ラストでは伝統のブダペスタースタイルを楽しめます。一方、ブランドオリジナルのU/F/Kラストは伊ビスポーク界の巨匠ウゴリーニ氏とコラボした木型で、繊細な曲線美と技術力が融合したスタイリッシュなラストです。東欧ならではのボリューミー靴から、イタリア譲りの洒落靴まで、1つのブランドであらゆる靴を取り揃えています。でもサイドゴアブーツはありません。欲しい。
国内ではかつて伊勢丹やTOMORROWLANDで取り扱いがありましたが、いずれも撤退済みで、現在国内に正規代理店はありません。しかしVASSには熱心な個人輸入家のファンが多数ついているため、国内中古市場では比較的容易に入手できるかと思います。
VASSは私の推しブランドですので(!)、いずれ詳細記事を書こうと思っています。



LUDWIG REITER

1885年にオーストリア・ウィーンで創立された紳士靴ブランド。90年代には同社のスニーカーが世界的なブームを巻き起こし、スニーカーブランドとしての印象が強いかもしれません。
紳士靴はやはり典型的なブダペスターが多いですが、装飾は控えめですっきりした印象です。
国内でも過去に一部のセレクトショップで取り扱いがありました。今はあるのかわかりません。ディンケラッカーの2割引きくらいでコードバンが買えるのでちょっとお得感はあります。中古流通相場も安いので、出費を抑えたい方は狙ってみるのもありでしょう。




ここからは番外編です。

SAINT CRISPIN'S

1985年、オーストリアのウィーンにて靴デザイナーのマイケル・ローリック氏が創業したブランド。ウィーンに本拠を置き、ルーマニアの工房で製作と完全な東欧資本ですが、若手ブランドとあって新鋭気質で、典型的な東欧スタイルからは外れます。しかし、素材のコンビネーションや色使いなどに他の東欧靴(主にVASS)と通ずるところがあると思います。
写真の1アイレットシューズをはじめ、メゾン顔負けのデザイン力を武器に新鮮なモデルを続々と世に送り出しています。しかしその分高い。
国内では田中十靴店などで取り扱いがありますが、とにかく高い。そんなにいい靴かなぁ。



ZONKEY BOOT

サンクリスピンの創始者、マイケル・ローリング氏が2010年1月にに新規に立ち上げたブランド。イタリア製で、ジャコメッティと同じ工房が手掛けているそうです。もはや創始者がオーストリア出身という以外に東欧要素はありません。
スムースレザーとスエードのコンビネーションは東欧ではよく見られます。同様にスコッチグレインとスムース、或いは3者ともなど、組合せのセンスは抜群です。
サンクリスピンよりカジュアルシーンに寄せたラインナップが魅力的ですが、お値段はカジュアル靴に出すような価格ではない上にお世辞にも知名度が高いとは言えないので、国内での売れ行きは芳しくない様子。
国内ではトレーディングポストが取り扱っていましたが撤退済み。ストラスブルゴも取り扱っているようですが、こちらも撤退しそうです。やはり知名度の低さが難点でしょうか。
屈曲部はスエードを荒らして、芯の部分はスムースレザーで光らせる、双方の革の持ち味が両方味わえるこのコンビネーションは天才のそれだと思います。





注モデルも……?

日本ではBEAMSやUnited Arrowsなど名だたるセレクトショップが別注モデルを出していますが、それは東欧でも同じこと。東欧のショップ別注品では現地の嗜好が色濃く表れていたモデルが出てきます。別注からも東欧文化を感じ取れるというのは面白いですね。
オーストリアのシューズブランド、ALT WIENの別注モデル。盛り上がったトゥにフルブローグと典型的なブダペスターが楽しめます。モデル名もまさしく“BUDAPEST”です。製造はクロケットアンドジョーンズ。
ドイツのシューズショップ、その名もBudapesterの別注モデル。シングルモンクでもフルブローグは外せません。製造はオールデン。



すび

いかがだったでしょうか。
靴愛好家でもない限り、国内ではあまりなじみがないであろう東欧靴。しかし、英靴・伊靴に次ぐ欧州の第3勢力として個性豊かなプレイヤーが揃い、手を出してみると楽しいジャンルです。
一先ず、手始めにハインリッヒディンケラッカー大阪店の門をくぐってみてはいかがでしょうか。

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