ピン靴作成記
1足目


ピンクという選択肢



(MY VASS SHOES 8足目はこの記事に飛びます)


ロローグ

2020年の2月ごろ。ヴァーシュも5ペアを入手し、公式のインスタグラムもちらほら見るようになりました。
インスタグラムに上がる写真、例えば緑のクロコダイルだったり、白と紫のコンビネーションだったり、結構攻めたモデルがあるんですよ。日本では伝統的なハンドソーン製法、ブダペストラストなど伝統を重んじたブランドイメージが強いのではないかと思います。そしてそれは間違ってはいません。
しかし、個人的にはヴァーシュはデザインの先端を行くような尖ったブランドのイメージがあります。

当時真っ赤な靴とグレー系の靴が欲しかった私は、そんなヴァーシュなら作れるんじゃないの? と思い立って、『ヴァーシュに目の覚めるような赤や、アスファルトのような濁ったグレーの革はあるか』と、ブダペストでオーダーの仲介をされている方に尋ねてみました。その時ついでに、ピンクもあるのって聞いてみたんですよ。

そしたら、赤とピンクはあるらしい。サンプルの写真も見せていただきましたが、明るくきれいなピンクです。こんないいサンプルが出てきたら、オーダーするしかないですよね。

ちなみに、オーダーから届くまでの約1か月で2足を新調したため、これでヴァーシュは8足になりました。




VASS
MODEL:Italian Oxford
UPPER:pink calf
LAST:F-Last

せっかく“ヴァーシュで”ピンクの靴を作るのだから、“ヴァーシュらしい”デザインにしようということでVキャップを選択しました。ラストはもちろんFラストです。
アッパーは顔料仕上げのピンクカーフ。顔料の割には結構きめが細かくて、そう簡単にはひび割れそうにありません。
横顔です。ステッチ・ブローグ・ソールが黒で統一されていて、明るめピンクのなかでしっかりとアクセントになっています。ピンクと黒で統一したので、結構使いやすく仕上がっているのではないでしょうか。
レースは当初黒でしたが、あとから緑に替えています。ケイトスペード ニューヨークのロゴからもわかるように単純にピンクと緑は相性がいいですし、主にピンクと緑のストライプのジャケットと合わせているのも大きな理由です。
ヒールカップはやっぱりちょっと間延びした感じに。ピンクなだけあってより間延び感が強調されていて、ちょっと可愛らしいですね。
ソールはもちろんレンデンバッハ。ピンクのアッパーにこの高級ソールがくっついているの、冷静に考えるとなかなか面白いですね。



すび

やろうと思えば割と何でもできるもんなんだ、と実感できたこのピンクの紳士靴。
実物を見た感想としては、思ったより良い。正直もともとは“ピンク好き”かつ“革靴好き”を兼ね備えたアイコンくらいのイメージでオーダーしたのですが、実物を見ると普通に使えそうなアイテムです。ファッション趣味の友人や、懇意にしている古着屋の店主からも、『これなら使えそうね』と好印象でした。

ヴァーシュによると、ピンクの靴の注文は過去になかったらしく(じゃあなんで革のストックがあるんだろう?)、間違いなく世界初のピンクヴァーシュだそうです。おそらくラズロ氏は派手な靴がお好きなようで、この靴もラズロ氏が手に持ってニコニコしている写真と共に送っていただきました。『アーティストなの?』とも訊かれましたが、残念ながら会社での私はスーツか作業服です。
派手靴が欲しい方はヴァーシュに頼めばきっとノリノリで作ってくれますよ!

ちなみに、革靴愛好家であってもピンクの革靴というのは見慣れないようで、知り合いからは、特にシューシャイナーさんに磨いていただいている様が『コラージュに見える』という声もちらほらありました。これが見慣れた光景になるように、ぜひ皆さんもピンクに革靴をゲットしてください。






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