【ロゴ変遷】
Trickers


バートン、モールトン、ヒノノニトン


こんにちは、桜木です。
今回は人気モデル・バートンでもお馴染みのトリッカーズのロゴ変遷を紹介しようと思います。


トリッカーズとは……
英国、ノーザンプトンで1829年に創業した靴工房で、2019年に190周年を迎えました。これは英国靴ブランドの中でも最古で、世界展開している革靴ブランドの中ではも最も歴史のあるブランドといってよいでしょう。1927年にはロンドンのジャーミンストリートに店舗を構え、これまた100年近い歴史を誇る古参店となっています。
2019年にはジャーミンストリートに続く2店舗目の単独店舗として青山店がオープンしています。ディンケラッカーもそうですが、2店舗目の直営店として日本を選ぶ動機はどこにあるんでしょうか。そんなに日本人は革靴買ってるのかな。街中でいい靴履いてる人、そんなにも見ないのですけどね。
カントリーシューズ・ブーツに定評があり、バートンやモールトンは定番モデルとして人気があります。
チャールズ皇太子からロイヤルワラントを授与されています。英国既成靴でワラントが付くのはこのトリッカーズのみですね。




記体ロゴ

筆記体表記のロゴです。
WEB上に転がっているカタログを参照とするとなんと1930年代にはすでにこのロゴが使われていたようで、以降70年代後半まで少なくとも40年に亘って採用されていた様子。
古いものとはいえ、やはりこの製造期間の長さのインパクトは強く、探せば結構見つかります。とはいえ、その大半がプレーントゥシューズで、定番のバートンは少なめ。バートン狙いの方は見かけたらゲットしておきましょう。




書きロゴ

写真ではロゴが擦れていて読みにくいのですが、ロゴの上には“150 YERAS OF SHOEMAKING”との記載があります。つまり、150周年に合わせてロゴを一新したものと思われます。
トリッカーズは2019年に190周年を迎えていますので、150周年となると1979年のことです。現行ロゴも意外にも40年間使われている息の長いロゴなんですね。
この縦書きロゴですが、わざわざ150 YEARSと示されていることと、弾数が非常に少なく滅多に見かけない希少性から考えて、79年から数年間のみ採用されたものと思われます。



行ロゴ

お馴染みの現行ロゴです。80年代前半にはこのスタイルになったと思われ、すでに40年近く使われていることになります。トリッカーズは筆記体ロゴも長く使い続けていた歴史がありますので、少なくとも200周年まではこのままでしょうか。筆記体、セリフ体と来ていますので、次は時代の流れに沿ってサンセリフのブロック体あたりになるかもしれませんね。



代のバートンを並べてみた

トリッカーズの定番モデルといえばやっぱりバートン。たまたま3世代ロゴのバートンが手元に揃ったため紹介してみようと思います。

筆記体ロゴのバートン。アッパーは不思議なエキゾチック革が使われています。菱形のようなシボが見られ、ガゼルなどウシ科の動物の革ではないでしょうか。
トリッカーズに限らず、70年代ごろまでの英国ビンテージ靴はウシ科エキゾチック革のペアが良く出てくるのですが、流行った時期でもあるのでしょうか。
お馴染みハート形のメダリオンは当時から健在です。左がちょっと歪んでいるのはご愛嬌。おおらかな作りも昔から変わっていないようです。

縦書きロゴのバートン。何の変哲もないモデルです。このマロンとエイコンを足して2で割ったような茶色は、ビンテージトリッカーズでは定番のカラーです。
ハート形のメダリオン。若干下の端がソールに隠れてしまっていますが、この程度ならかわいいものです。左右差も少なく当たりの個体です。

現行ロゴのバートン。アッパーにオレンジコードバンを用いたペアです。トリッカーズはこのオレンジをはじめ、青や紫などカラフルなコードバンがラインナップされています。ホーウィンではなく、他の欧州タンナーのコードバンを採用しているみたいですね。コードバンの質としてはホーウィンのものに劣りますが、しかしこの深みのあるオレンジは非常にいい色です。トリッカーズのイメージにもピッタリで、かっこよく仕上がっています。
コードバンとなると職人もより気合が入るのか、トゥのメダリオンは大変良い仕上がりです。


すび

いかがだったでしょうか。
トリッカーズはロゴの変遷も少なく、現在みられるロゴはざっくり2種類しかありませんが、それぞれのロゴの採用期間の長さは、流石歴史あるシューズブランドといったところではないでしょうか。
トリッカーズのビンテージは、現行と非常によく似た雰囲気のモデルが出てくることが魅力です。革靴のスタイルも時期によって結構流行があったりするのですが、流行に左右されない定番スタイルというのもまたいいですよね。入手もそこまで難しくはありませんので、興味があればぜひ探してみてください。



MEN'S EX
https://www.mens-ex.jp/shoes/trickers_history



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