こんにちは、桜木です。
特に勤め人の男性であれば、たとえ雨であろうと革靴を履かなければならないシーンも多いでしょう。しかし、雨に濡れた革靴、翌朝見たらこんな感じになっていることってありませんか?
これは『銀浮き』『塩吹き』と呼ばれる現象です。
白い粉が吹いているのが『塩吹き』。革靴は日々の着用で汗が染み込んでいますが、濡れた際にその塩分が溶けだし、乾いて表面に残ったものです。汗をよくかいた日等、下着に塩の結晶が残ったりすると思いますが、それと同じです。
また、革は鞣し加工がされる前は塩漬けで保管されていますので、その時の塩分が残っているなどの原因で真新しい靴で起こることもあるみたいです。
ちなみに、これはカビではありませんので安心してください。カビは一晩で生えてくるようなことはありません。
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革の表面がでこぼこしているのが『銀浮き』。革は水に濡れると柔らかくなり、乾くとまた硬くなる性質があります。そのため、部分的に濡れた革がふやけた状態になって、不均一に乾燥すると、でこぼこした状態で固まってしまうわけですね。これが銀浮きの原因です。
これらは道具さえあれば自宅でもケアすることができます。ケアは早ければ早い方が良いので、できれば雨に濡れた翌日には取り掛かってください。
原因も分かったことですので、さっさとケアしてしまいましょう!
ATTENTION
自宅でできるといっても、以下の靴はプロに任せた方が安心です。プロのシューシャイナーはつま先を光らせるだけではなく、こういった革のトラブル解消にも長けています。だいたい3~4000円程度でやってもらえると思いますので、選択肢に入れてくださいね。
●色の薄い靴
下手に触ってしまうと色むらが残る虞があります。お勧めできません。
●ビンテージの靴
ビンテージの革は油分が抜けてもろくなっていることがあります。色むらになりやすいのと、ふやかしすぎると最悪の場合ステッチ裂けなどの虞がありますので、お勧めできません。
そもそも、こういった靴は雨の日に着用するのは避けた方が良いですね。
用意するもの
・ハイシャインクリーナー 又は リグロイン
・デリケートクリーム(M.MOWBRAY社)
・乳化性クリーム
・油性クリーム
・アビィレザースティック
・豚毛か化繊のブラシ
さらに鏡面で仕上げたい方は、
・ワックス
を用意します。
早速ケアしましょう!
1.汚れ落とし
まずは革用クリーナーでアッパーの汚れを落とします。私はコロンブス社のツーフェイスローションを使っていますが、それなりに良く落ちるのでおすすめです。
雨に濡れた革は奥深くまで水が浸透しているため、水が蒸発する際に汚れと共に油分なども取り去ってカサカサになっていることが多々見られます。ですので、乳化性クリームを使って水分を補給します。
今回はM.MOWBRAY社のデリケートクリームを使用します。デリケートクリームはほぼ水みたいなクリームで、かさついた革に一気に水分を与えたいときにお勧めです。
トゥの銀浮きが出ていた部分にはクリームを余分に盛って、パックのようにしておきます。こうすることでトゥの革が水分を吸って、再び柔らかくなるわけですね。
WEBで検索すると、水で濡らしたキッチンペーパーでパックして一晩待つ方法も散見されます。それでもいいと思いますが、せっかちな私は一晩も待ちたくないのでいつもこれです。
3.凹凸を均す
デリケートクリームで柔らかくした革を、コードバンのケアで多用するアビィレザースティック(水牛の角)で抑えて平らに戻していきます。こうすることで、銀浮きによる凸凹をもとのスムースな状態へ戻すことができます。
それなりに力を入れないと均せませんが、あまり強くこすりすぎると却って銀面を痛めてしまうため注意が必要です。具体的には、スティックが銀面を滑らかに滑っていればOK。引っ掛かりがある場合は乳化性クリームを足すなどするとうまくいくと思います。
こんな感じで凸凹が均せたら終わりです。
トゥの銀浮きもしっかりと治っていますね。
5.鏡面仕上げ
ワックスを載せるかはお好みですが、今回は1重だけ載せました。というのもこれ、出勤前にケアしていたので入念に鏡面仕上げにする時間がなかったからです。
完成
というわけで、こんな感じに仕上がりました。結構きれいになったのではないでしょうか。
雨に濡れた靴も、自宅でこれくらいは綺麗にできます。最初にも書きましたが、ケアは濡れてから早ければ早いほど楽にケアできますので、早めの行動が肝心です。
むすび
雨は降るときは降ります。
革は水に弱いっと思われがちですが、実はそんなこともなく、たとえ雨に降られようともきちんとケアをしてあげればまた第一線で活躍できます。いざという時のためにも一通りの道具を揃えておいたら安心できますね。
でも、一張羅の靴は雨の日はお休みさせてあげた方が無難かもしれませんね。
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