こんにちは、桜木です。
今回はチーニーのミリタリーモデルで見られる“ヴェルトショーン製法”について、わかりやすいペアを入手したので写真と共に紹介しようと思います。
ヴェルトショーン製法とは
アッパーレザーをウェルトの上に縫い付ける仕様です。
<BRITISH MADEより引用>
一般的なグッドイヤーウェルトだと、アッパーとウェルトの間に隙間ができて、そこが水道になるんですね。そこでウェルトを上に出したヴェルトジョーンにすれば、水や埃の進入を防げるわけです。
これは英国のミリタリーシューズで見られる製法で、雨の多い英国ならではの工夫と言えるかもしれません。現在目にすることができるのはほぼチーニー(或いはチーニー製の別注品)のみとなっています。
現行品ではCAIRNGORM(ケンゴン)などで採用されています。
※チーニーの公式サイトに断面写真があります
実物を見てみよう!
では実際に見てみましょう。
用意したのはチーニーのペア2足。
どちらもチャーチ傘下のもので、90〜00年代の製造だと思われます。
こちらはプレーントゥモデルの“NEATH”。
ややシンプルではありますが、ミリタリー然としたボリューミーなスタイル。
ステッチがいかにも古風で、重厚な雰囲気をまとっています。
こちらはヴェルトショーン製法を採用。ヒールトップの付け根あたりから、ウェルトにアッパーが被っていることが見て取れます。
この靴は270度ヴェルトショーン仕上げ。アッパーがライトブラウンだとよく目立ち、無骨さをより際立出せます。これが黒やダークブラウンだとさりげないアクセントとしても良いかもしれません。
こちらはタッセルローファーの“LEWIS”。
ローファーですのでオフロードに履いていくことはまずなく、一般的なグッドーイヤーウェルトとなっています。
黒のウェルトが前面表に現れています。見慣れた縫い口ですね。
むすび
いかがだったでしょうか。
知名度が高いとは言えないヴェルトショーンですが、物理的に雨を防いでくれる心強い靴だと思います。
雨靴といえばパラブーツのリズレザーや、サンダースなどのバインダーカーフが人気ですが、ぜひチーニーも候補に入れてみてくださいね。
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