【女子革靴図鑑】
Le Yuccas


正真正銘、ユニセックスな紳士靴。



今回はフェミニンなデザインで革靴界隈で異彩を放っている、レユッカスの紹介です。



Le Yucca'sとは……
1999年にイタリア在住の日本人デザイナー、村瀬由香氏が立ち上げたブランド。
同一モデルでレディース~メンズサイズまでをカバーするユニセックスな展開で、メンズであってもミドルヒールとフェミニンなデザインが特徴。メンズを中心に回っている革靴の世界においてはかなり異色なブランドです。他にも黄色のカーフやピンクのクロコダイルを取り入れたりと、デザイナーの視点から革靴の新たな境地に果敢に挑戦しています。
製造はイタリアのエンツォ・ボナフェ。ボナフェ製で12~15万前後とちょっとお高めな価格設定で、デザイナーズブランドの側面が少なからずあります。デザインが好きな方向けですね。
公式サイトはなさそう。



デル紹介

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レユッカスのアイコンのひとつであるUチップ。特にカジュアルシーンにおいてUチップは使いやすく、レディのファッションシーンにもよく馴染みます。カジュアル靴は野暮ったくなりがちなので、そこでこの繊細なシルエットが活きてくるわけですね。
レユッカスの特徴は何といってもこの横顔。ソールが25mmから35mmへ1cm上がるだけで、見た目がぐっとエレガントになります。特に女性は小足に見えると何かと有利だと思いますので、カジュアル風味とエレガントさを両立した靴はありがたい存在ではないでしょうか。
ヒールカップの立体的な造形も丁寧に作り込まれていて、後姿も美しい。
アッパーはフランスの名門タンナー、デュプイ社のベジタブルタンニン鞣しレザーを採用。素材にはこだわっているだけあって、皺の入りはもちろん光沢感も上等です。
特に光沢の面では、クリーム拭き上げだけでここまで光る革はなかなか見ません。素材の良さももちろんですが、やや油分多めで鞣しているのかも。
カラーはGIAMAICAで、ボナフェの独特の呼び名です。わかりやすく言えばタンカラーですね。
このペアはパイピングに赤のカーフが巻かれていて、可愛らしいアクセントになっています。こういうところにひと工夫あるのがデザイナーズブランドらしいところです。
ソールはヒドゥンチャネル仕上げ。ボナフェの工房ではソール付けをハンドソーンで行っているらしく、丁寧な仕上げです。



ユッカスの魅力

魅力はなんといってもこのフェミニンな形状です。
ブランドの代名詞的なミドルヒールに加えて、女性デザイナーらしく線も柔らかで、唯一無二の革靴を生み出しています。
この3cmヒールって、バランスが良くていいですよね。メンズでも違和感なく履ける程度で、メンズ靴をレディスから逆輸入しているような気分です。
箱もリボン付きで可愛らしい
ボックスもリボンがついていたり、全体的にレディス向けの「可愛い靴」を出発点としてデザインされているブランドだと思います。

逆に欠点は値段が高いことですね。デザイナーと工房と双方の利益が載って、さらに特殊な形状で製作に手間もかかっているでしょうから納得はしますが、でも高いもんは高い。
実質的にデザイナーズブランドですから、仕方ないですね。



イズ感

サイズ表記はユーロ表記。レディス靴の雄、チャーチと同様です。
サイズ感としてはチャーチの35mmヒールのモデルと同じサイズ感でよさそうです。チャーチの25mmヒールとの比較では、レユッカス側がハーフサイズアップになります。
ただ、チャーチと違ってレユッカスのアッパーは履き込むと伸びていきますので、タイトフィットで合わせたい方はハーフ下げてもいいかもしれません。

ヒールがある分サイズ合わせは難しめ。チャーチで試そうにも、国内ではなかなかヒールのあるモデルの実物は見つかりません。できれば試着して買いたいところではあります。



手方法

国内ではセレクトショップを中心に取扱いがあります。それも全国区ではなく、地場のセンスのいいショップにおいてあるようなイメージ。関西なら京都のLOFTMANが毎年別注をかけています。人気が高く入荷したらすぐに売れるような状況らしいので、取扱店を見つけたらウェイティングリストに入れてもらうくらいの方がいいかもしれません。

中古相場は新古品なら10万程度とかなり高いので、近場に取扱店があれば新品を試着して買った方がよさそうです。



すび

ユニセックスな革靴って、“ユニセックス”といいつつもメンズをそのまま小さくしてレディスにしたようなブランドがほとんどなんですが、レユッカスは本当にユニセックスな革靴を作ってくるところが素晴らしいです。性別差が曖昧になりつつある現代のファッションシーンには、ぴったり馴染む革靴だと思います。
モード系コーデからマニッシュなスタイルまで、幅広いファッションシーンで使えそうですので、特に現代風のファッションがお好きな方はチェックしたいブランドですね。

私も長年気になっていて、定番のギリーシューズを手に入れるのが今の目標です。






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