【ロゴ変遷】
JOSEPH CHEANEY


“新”英国の良心


こんにちは、桜木です。
本日は英国靴初心者にも大変お勧めな、チーニーのロゴ変遷を紹介します。



ーニーとは
1886年、創業者のジョセフ・チーニー氏によって立ち上げられたブランド。1966年にチャーチに買収されており、以降長らくチャーチのセカンドブランドとして親しまれてきました。2000年にはチャーチと共にプラダ傘下に入りますが、2009年にチャーチ創業家の手によって買収され、現在は独立系ブランドとなっています。
この様に2009年を境に大きな転機となったため、以前をチーニー、以降をジョセフ・チーニーとして区別することもあります。
チャーチ創業家のこだわりが詰まったブランドで、英国伝統のラウンドトゥやカントリースタイルを重視したラインナップが魅力です。また、価格も廉価なものなら5万円程度と、英国高級靴の入門にもぴったり。かつて比較的廉価で、“英国の良心”と言われた入門靴、チャーチの意思を受け継いだブランドと言えるでしょう。





Cheaney of Englandロゴ

恐らくチーニーで最も古いロゴ。チーニーの公式ヒストリーに拠れば、「Cheaney of England」として自社ブランドの販売を開始したのが1967年のことで、その当時使われたのがこのロゴだと思われます。
トップ写真のロゴはわざわざ“A DIVISION OF CHURCH'S ENGLAND SHOES”と書かれているあたりから、チャーチに買収されてすぐのペアと考えられます。

ちなみに、この“Cheaney of England”ロゴにはいくつかのタイプがあります。

“Queen's Award”ロゴとの合わせ技。チーニーは1966年にクイーンズアワード賞を輸出部門で受賞しており、その記念と思われます。買収前年ということで先のロゴとの前後関係は推測が難しいところですが、いずれにせよこのタイプのロゴは60年代後半とみて間違いなさそうです。

こちらはもう少し新しい雰囲気のある、セリフ斜体のロゴ。筆記体と比べてずいぶんモダンな印象を受けます。
このロゴのペアでもなかなか出てこず、恐らく70年代末までには次のロゴへ変更されていたのではないでしょうか。80年代まで製造されていたならもう少し見かけてもいいはずです。

やはり古いだけあって革の質もそれなりではありますが、同時期の2都市チャーチを狙ったほうが質も高いと期待できるし弾数も多いので、わざわざ狙うメリットはあまりないと思います。ただ、ブックバインダーはチャーチ同等の質が担保されているのと、ミリタリーシューズはチャーチでは出てこないので、この2点はメリットですね。
あとはビンテージチーニーを持っていると“こやつ、さてはツウだな"と思わせられるかもしれません。これもメリットですかね。




CHEANEYロゴ

80年代には使わて始めていたと思われるロゴ。以降チャーチ傘下時代はずっとこのロゴで、2010年まで30年近く使われていただけあって非常によく見かけます。古着でチーニーを探したら出てくるのはほとんどこのロゴではないでしょうか。
チーニーはチャーチの廉価版のようなイメージを持つ方も多いと思いますが、個人的には質がいまいちと思ったことはありません。今のところ大外れを引いた経験はないので、くたびれたチャーチを買うなら綺麗なチーニーを買ったほうが得策だと思います。




行ロゴ

2009年にプラダから独立した際に採用されたと思われるロゴです。
2010年までは旧ロゴ品が出回っていた様子ですが、一方で2013年に登場したカントリー・コレクションには現行ロゴがついていましたので、その間に採用されたとみられます。優美な紋章がつけられた一方、ロゴはしっかりサンセリフなあたりは時代の流れでしょう。
経営母体が変わっているので比較するのも変な話ですが、旧ロゴ期と比べても革質の面では遜色なく、価格の割にかなり頑張っていると思います。ジャランスリワヤ買うよりは、もう1.5万足してチーニー買ったほうが絶対にいいですよ。
チャーチから独立して、チーニーとしてのブランド力も向上したおかげか、中古市場でもそれなりに人気があります。ビンテージと現行の古着で比較して、現行のほうが相場が高いのは英国ではチーニーくらいですね。

ちなみに、メンズは型押しですが、レディスだとロゴの色がピンクゴールドになります。
上品でいい感じですね。




記体ロゴ

ごくまれに見かける筆記体ロゴのペア。90年代に展開されていたらしい、上級グレードのペアに採用されていたもののようです。
この時期といえば同じ英国のエドワードグリーンも筆記体ロゴを採用しており、ちょっとした流行があったのかもしれません。

ほとんど目にする機会のないロゴですが、このロゴのチーニーは革がもちもちとしていて、確かに質がいい。クロケットやビンテージグリーンのような柔らかい革が好きな方には相性のいい革質だと思います。
チーニーブランドだけあって質のわりに相場も安価ですので、費用を抑えて良質な革靴を手に入れたい場合は筆記体ロゴのチーニーを古着で狙うのがお勧めです。但し、稀に大外れがあります。

※筆記体ロゴに関しては、服飾ジャーナリストの飯野 高広さんにご教授いただきました。



すび

いかがだったでしょうか。
チーニーは価格も安めで手を出しやすくシルエットも外しませんので、多くの方にお勧めできるブランドです。
英国靴や高級革靴に手を出すか迷っている方は、とりあえずチーニーを買ってから考えても遅くはありませんよ。



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