【女子革靴図鑑】
ALDEN


意外と見かけないレディスモデル。



こんにちは、桜木です。
高級革靴のレディスって、なかなか見かけませんよね。女性向けでかわいらしく質もよい革靴は本当に見つからないようで、探してほしいという要望もよく耳にします。
そこで、私が所持している様々なブランドのレディスモデルをシリーズで紹介していこうかと思います。かわいいモデルを探したり、サイズ感の参考にしていただければ幸いです。

今回は米国紳士靴ブランドの雄、オールデンのレディスモデルを紹介しようかと思います。



ALDENとは…
米国を代表する紳士靴ブランドのひとつ。アレンエドモンズと共に米国2大巨頭ですが、少なくとも日本国内においては独り勝ち状態です。創業は1884年と、140年ほどの歴史を持っています。ちなみに、ロゴに“NEW  ENDLAND”と書かれているのはニューイングランド地方のことであり、当たり前ですが英国のことではありません。
大概のセレクトショップの店頭に並べられていて、最初のカジュアル高級靴に選ばれがちなのはパラブーツかこれでしょう。コードバンの靴を盛んにリリースしており、日本におけるコードバンブームの火付け役と言えます。初心者向けの顔を持つ一方で、熱心なファンも多く存在し、特にレアカラーと呼ばれるウイスキーコードバンなどは異常な高額で取引されています。正直、質は“それなり”ですので、お財布と相談して冷静に購入しましょう。
本国のサイトは非常に貧弱で本当に公式か疑わしいのですが、下記リンクで間違いないと思います。




デル紹介

さて、レディスに話を戻します。
メンズのオールデンは巷にごろごろしていますが、レディスのオールデンはなかなか見かけず、私も4足しか触ったことがありません。そのうち2モデルを紹介します。

14304

アッパーにレアカラーのラベロコードバンを使ったフルブローグ。
レディスでラベロを使っているモデルはほかに見たことがなく、存在しているのか不明です。
この靴はドイツのシューズショップ、BUDAPESTER SHOESの別注品。このショップはほかにも面白いオールデンの別注を数々世に送り出しているショップです。同じドイツのEduard Meierもオールデンレディスの別注を出していて、ドイツには女性も高級革靴を履く文化があるのだろうかと思いを馳せてみたり。
14304の型番がつけられていますが、おそらくこのロットの専用型番だと思います。検索してもこの別注しか引っ掛かりません。ちなみに、14***の5桁型番はレディスに振られているようです。
ペア番号は14ですので、少なくとも世界に14足は存在しているようです。


14201

これぞオールデン、と言わんばかりのタッセルローファー。アッパーはもちろんコードバンです。
履き口が広く取られ、ちょこんとしたタッセルがかわいいですね。インソールにはショップスタンプはなく、両足ともオールデンの単独ロゴです。
レディスらしい横顔。ヒールは低めですが、ブルックス別注ではややヒールが高めのオールデンもあるようです。
やっぱりコードバンは嬉しいですね。レディでも、カルミナならコードバンのオーダーが可能ですが、やはりオールデンのコードバンにはロマンがあると思います。



ディスオールデンの魅力

レディスオールデンの魅力は何といってもその華奢なシルエットだと思います。
このオールデンらしからぬ女性らしさ。専用の木型を用いていると思われ、細身のラインと大きく取られた履き口は女性靴そのものです。
同等サイズのメンズ靴と比較するとその差は歴然ですね。
米国らしいぼてっとしたメンズもそれはそれでいいのですが、レディスを見ていると、オールデンもこんな綺麗なラストを作るのだなと驚きを禁じえません。
それでいて、細部にはオールデンとわかる意匠が施されているのが堪りません。例えばアイレット横の菱形のブローグ飾りなど。
あとこの後ろ姿。オールデンでなくて何なのか、って感じですよね。
このようにシルエットが華奢でも、しっかりオールデンらしさも残るバランスが素敵だと思います。そもそも、レディスでコードバンのモデルがあるのもオールデンならではですね。



イズ感

サイズはレディースのUS表記です。米国のパンプスを着用されている方は、それのハーフサイズ下くらいを狙われるとよいと思います(パンプスと比較してヒールがない分、より小さいサイズで履けます)。ウィズはN/Mの2つを確認していますが、Nの方が細いのかは不明。
換算としては、9MでUS6 1/2D~7C相当といったところです。
ただし、一部にはメンズ同様にウィズが2段書きのものがあります。この場合はメンズのUS表記です。
AA/Bウィズって、本国のビンテージなんかではメンズでも普通に出てくるサイズなので、ぱっと見レディスなのか判断がつきません。ですがこちらは型番が14***なのでレディスで間違いなさそうです。レディスだから小さめなどはなく、ほぼ表記通りのサイズ感です。



手方法

基本的に中古で探すしかありません。
中古でも滅多に見つからないうえに、レディスUS表記を採用している高級革靴はおそらくオールデンしかないため、サイズ合わせは難しいです。できれば試着をして買いたいところ。懇意にしているバイヤーがいればいい中古を確保してもらうように声をかけておくのが一番近道かもしれません。なんだかレアカラーコードバンの入手方法みたい……。

国内では“レディスサイズ”と称してメンズUS5などを販売しているケースが多く、レディスの取り扱いはない(というかバイヤーが存在を知らない?)のだと思います。
レディスオールデンは、少なくともセミブローグ、フルブローグ(ロングウイング・ショートウイング)、シングルモンク、コインローファー、タッセルローファーの存在は確認していて、ブルックス別注も存在しています。モデルは一通り揃っていそうですが、いかんせん数が少なすぎる。いったいどこで販売しているのでしょうか。ショップから別注がかからない限り作らない類のような気もします。
大々的に宣伝したら売れると思うんですけどね。



すび

オールデンのレディスモデルを紹介しました。
特にラベロコードバンを採用したものはぶっちぎりに珍しいモデルで、私ももう2度と手に入らないのではないかと思うほどです。
このペアは無事に嫁さんの足元に納まりましたので、今後も我が家で見ることができそうです。



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