【女子革靴図鑑】
EDWARD GREEN


気軽に探せる高級靴

レディス靴の中でも高級帯をカバーしてくれるのがエドワードグリーン。国内で買える既成靴では最高峰の靴です。


ドワードグリーンとは?
1890年の英国、ノーザンプトンで創業した紳士靴ブランド。1980年代頃までは靴メーカーとして、他の有力ブランドのOEM請負に徹してきた歴史があります。
現在では英国最高峰の既成靴としての地位を確立しており、革靴愛好家からの評価も高いブランドです。特に1980~90年代製造の“旧工場製”グリーンは非常に高品質で、英国ビンテージ靴マニアの憧れと言ってもよいでしょう。また古くからレディス靴の製造にも力を注いでおり、可愛らしいレディス靴のコレクションも見ることができます。



デル紹介

Brogue shoes

旧工場製と呼ばれる、90年代ビンテージのペア。メンズモデルをそのまま小さくしたようなクラシカルなスタイルです。
全体的にブローギング飾りのたくさんついた、華やかなペア。このような装飾てんこ盛りの靴は旧工場時代のグリーンではメンズも含めてよく見かけます。
英国の他のブランドでも、特に70~80年代初頭では装飾の多いモデルが多く見られます。
※このグリーンは90年代末の製造です。
パーフォレーションがとがっているヒールカップ。ちょっとしたディテールに、当時のファッションデザインの勢いを感じます。


Ghillies

おそらくオーダーもしくは別注で作られたと思わしきギリーシューズ。グリーンは有力ブランドのOEMで名を馳せただけあって、近年もラルフローレンなど、有力なブランドの製造を請け負っています。そういう背景もあってかオーダーや別注への対応力も高く、たまにこういうデザインが独特なペアが出てきたりします。
Vキャップにギリーと、なかなかない組み合わせ。デザイナーのバランス感覚が素晴らしいですね。
このペアは履き口のトップラインが浅く抑えられており、いかにもレディースらしい横顔です。特に近年のグリーンでは、メンズライクなクラシカルモデルと並んで、ローヒールパンプスに紐を通したようなモダンなモデルも見られます。


Wing-tip

2015年から使われている現行ロゴのついたペア。ご覧の通り、かなり今風な風貌です。
こじんまりとした2アイレットとレースタッセルは、どことなく舞踏靴を彷彿とさせます。
履き口はさらに浅く、ガジアーノ&ガーリングのレディスモデルと非常によく似た横顔。おそらく、ガジアーノ氏がラストメイキングにも係わっていたのではないでしょうか。




ドワードグリーンの魅力

なんといっても、日本で展開しているレディース革靴ブランドの中では最高峰だということです。
20万を超えるくらいの高価格帯の靴って、メンズだとジョンロブを筆頭に、エドワードグリーンやガジアーノガーリング、ステファノベーメル、コルテなどとそれなりに選択肢が用意されています。しかし、その中でレディースの既成靴が国内で買えるものとなるとエドワードグリーンしかありません。だから、レディースで一流の品が欲しい、となるとエドワードグリーンがおすすめとなるわけです。
レディースの「CADOGAN」 出典:Trading Post
Trading Postが2021年から取り扱っています。モデルは写真のカドガンやドーバーなど、メンズの定番どころはだいたいカバーしてくれています。
メンズと共通のモデルということでシルエットはクラシカルなものが多いですが、アイレットが4つだったりキャップが小さかったりと、女性向けに可愛らしくアレンジが加えられています。

日本で新品が買えるのはクラシカルモデルが中心で、年代を問わずコーデに取り入れて楽しめます。また、20万円もするだけあってきちんとお手入れをすれば何十年と使っていける品質。一張羅とするにもふさわしいブランドです。

あとは、ビンテージ品がそれなりに出てくるというのも愛好家には嬉しいところですね。少なくとも1990年代からレディースを手掛けており、レディースモデルにも歴史があります。
英国伝統のアザミを模したブローグ
古い品は革の質がいいですし、クラシカルなデザインも現在では却って新鮮に映ることもあります。レディースでビンテージ靴が出てくるブランドはかなり貴重で、有名どころだとグリーンとクロケットアンドジョーンズくらいです。

革靴はスニーカーとは違ってデザインの自由度が低い分野ですが、それでも時代によってデザインの流行廃りはあるものです。レトロな空気を感じることができるのも、昔からレディスを作っているエドワードグリーンの魅力でしょう。



イズ感

基本的には素直なUKサイズ表記。トリッカーズやチーニーなどと同じサイズを選択すれば問題ないと思います。

しかし、いわゆる旧工場製と呼ばれる90年代以前のペアは表記サイズよりハーフほど小さめです。ビンテージ品を狙っておられる方はサイズ感に注意してください。
ビンテージ品は古着で探すしかないのでWEB購入が視野に入ってきますが、できれば古靴屋で試着して買うか、その辺りをきちんと説明してくれるセラーから買うと安心ですね。



手方法

国内ではトレーディングポストで取扱いがあります。先述の通り2021年に取扱いを始めたばかりですが、ちょっとずつモデルやカラーバリエーションが増えていたりと年々拡大傾向なので今後にも期待ができそうです。

ビンテージ品を狙う場合は古着で探すしかありません。メルカリやヤフオクでもぼちぼち見かけますが、状態もデザインもいいものを、となると結構頑張って探さないと見つからないと思います。フリマサイトを定期的にチェックするといい出会いがあるかもしれません。



すび

靴が好き、あるいはファッションが好きという方であれば、やっぱり一度は最高の品質というのを肌で感じていただきたいところ。
もちろんビスポークだったり、クロコダイルなどの希少素材を使ったりすれば価格は青天井ですが、エドワードグリーンは既成革靴のジャンルの中では間違いなく最高級品です。
値段は張りますが、靴好きな方には是非挑戦して欲しいブランドです。




出典
Trading Post
https://tradingpost.jp/topics/edwardgreenladies2/




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