男性の皆さん、“革靴の定番スタイル”といえば何を想像しますか?
おそらく大半の方はストレートチップのオックスフォードシューズじゃないかと思います。もしかしたらプレーントゥダービーの方もおられるかもしれませんね。
というのも、男性の場合は革靴=仕事靴や正装としての側面が大きいと認識している方が多いのではないでしょうか。
しかしレディスの場合、革靴の機能といえばおしゃれに全振りですのでちょっと事情が異なるようです。例えばチャーチの場合、代わりによく見るのがバーウッドに代表されるようなフルブローグオックスフォードシューズ。正統派で細身なオックスフォードスタイルと、装飾に華のあるフルブローグの組み合わせがおしゃれにはちょうどよかったのでしょう。
現実として、革靴女子はフルブローグがお好きな傾向にあるみたいです。
参考 女性のライフスタイルを広げて深める「革靴」のススメ(外部サイト)
今回はいかにチャーチのレディス靴がフルブローグばかりなのか、見たことのあるフルブローグモデルを紹介してみようと思います。
ドレスモデル
BURWOOD
ドが10個付くくらいの定番モデル。チャーチの取り扱いがある百貨店などにはもれなく置いてあります。アッパーがパテントだったりバインダーカーフだったり、またレースがついたりスタッズがついたりとラインナップが非常に豊富で、名実ともにレディスチャーチの看板モデルとなっています。
ローヒールのショートウイングと、メンズバーウッドをそのまま小さくしたような横顔です。夫婦でお好きな方などは、バーウッドでペアコーデを組むのもいいのではないでしょうか。
<出典:Church's> |
ちなみにヒールの高さが35mmや85mmのハイヒールモデルも存在しています。写真は35mm。
FLAVIA
バーウッドとよく似たモデルですが、アイレットが『ハ』の字のように、下広がりとなっています。マスタークラスのようなアイレット配置です。アッパーはポリッシュドバインダーカーフですが、1ペアしか見たことがないのでデフォルトなのかはわかりません。ヒールは35mmで、程よい高さのレディス靴です。
個人的に、女性にはやっぱりヒールのある靴を履いてほしいと思うのですが、35mmで馬蹄型のヒールだと歩きやすくていいですよね。スタイルや姿勢もよく見えますし、ヒールが苦手な女子にもぜひ挑戦してほしいと思います。
CATHERINE
バーウッドとよく似たモデルです。アッパーはパテントですが、1ペアしか見たことがないのでデフォルトなのかはわかりません。
ちなみに、チャーチのレディスのモデル名は大体英国圏の女性名から採られていますが、このモデルはキャサリン。ちょっと強そうな響きがモデルともよくあっているように思います。メンズは英国の地名から採られています。
バーウッドの35mmと近い外観ですが、甲が低めになっているのがポイント。おそらくラストが違うのでしょう。全体的に平たいシルエットで、より女性らしい靴といえそうです。
あとは、アッパーがバインダーカーフではなくパテント仕様ですが、このモデルのデフォルトなのかはわかりません。
CONSTANCE
バーウッドとよく似たモデルですが、純正のキルトがついているのが大きな特徴です。アッパーはポリッシュドバインダーカーフで、写真のペアは珍しいチェリー(!)。アメリカンチェリーのような深みのある赤色で、国内でもシャノンでは採用事例があったと思いますが、もっと前面に押してもいいんじゃないかと思うような素敵なカラーです。(でも派手なのであまり売れなさそう)
コンスタンスは正規店での国内展開はありませんが、本国ではそれなりにメジャーなモデルの様子。カラーもチェリー以外にブラック、ブラウン、グレーを確認しているほか、スタッズ仕様もあり、バリエーションも豊富です。スタッズ仕様はキルトのブローグにもスタッズがつけられていてとっても華やか。一度見てみたいものです。
CAROL
似たようなモデルが多い中で、変わり種がギリーシューズのキャロル。35mmヒールにブラックパテントという厳ついルックスで、“強い女”という響きがしっくりくるモデルです。
こんな外見ながらもちろんレースタッセルはついていますし、レースも長く足首に巻ける本格派です(写真はレースを2重に結んでいるため普通の長さになっています)。この辺りに生真面目なチャーチ感があって素敵です。
こちらも35mmヒール。
この高さが女性には万人受けするんでしょうか。まあ、見た目がきれいですし歩きづらい訳でもないので、選ばない理由も特に思いつきません。
カジュアルモデル
DORA
アンラインのシボ革に、レンガソールとカジュアルに振り切ったモデル。このペアは鮮烈な青ですが、もちろん他色の展開もあります。メンズならDOWNTONあたりが似た雰囲気ですね。
特にレディスのチャーチはこんな感じで結構遊んだモデルも多くて、そして厚底ソールの靴(とてもプラダっぽい!)もたくさんあります。メンズから見ると、高級靴でいろいろなコーデに挑戦できるのはうらやましい限りです。
INDIGO
厚底・ブラックスエードに、ブローグの裏革をシルバーにしたなかなか攻めたモデル。英国の老舗church'sネームでこんな面白い靴が世に出てくるのは、PRADA傘下に収まった『功』の部分だと思います。個人的に今回紹介するモデルの中でも特に好きなモデルです。
ちなみに、至って普通なブラックのバインダーカーフ仕様もあるみたいです。その場合はソールもただのラバーの厚底で、スエードは巻かれていません。
KEELY
アッパーは起毛素材ですが、メダリオンがそのままパンチ穴になっていてソックスがそのまま透けて見えます。夏物ですね。
ADELA
真面目なドレススタイルの中ではかなり珍しい外羽根のモデル。今回紹介する中でも、ちょっと異色なKEELY以外では唯一の外羽根です。
それでも、トゥのメダリオンは内羽根と変わりません。チャーチのレディスは大体このメダリオンですね。
アッパーはバインダーカーフでしっかり光っています。さらにコマンドソールでボリュームもあり、メンズライクコーデでもガーリーコーデでもしっかりまとめてくれそうです。
レディスの革靴と考えるとコーデに取り入れやすいのではないでしょうか。
メンズだとちょっと悩みそうですけどね。
モンクストラップ
SHANNONⅡ
モデル名はシャノン2ですが、シャノンといえばお馴染みシンプルなプレーントゥモデル。2が付くだけでこうも変わるとは、いったい何を思ってのこのネーミングなんでしょうか。装飾のゴテさでは対極だと思います。
レディスはみんなシルバーのパンプスとかもさらっと履きこなせますし、メンスでは過装飾なくらいの方がむしろ使いやすいのかもしれません。
ブーツ
KETSBY
チャーチのブーツといえばケツビー。レディスチェルシーブーツの生態系の中で、間違いなく頂点に君臨しているはずです。
装飾に忙しいトゥと、広くとられたヴァンプとの対比が見事なモデルです。
ローヒールモデルがベースで、スタイリッシュさにはやや欠けますが、安定感がありますね。厚めのコートだったり、スラックスパンツなどと合わせるにはちょうどいい感じかもしれません。
ESTEVA
ケツビーとほぼ同じ外観のサイドゴアブーツ。チャーチのサイドゴアといえばこのスタイルがやはり定番ですよね。
ソールは35mmで、スタイリッシュな雰囲気。ワイド目なパンツや、短めの丈のパンツ・スカートと合わせてあげると、ヒールの高さが活きそうですね。ケツビーと比較して強めの外観です。デフォルトなのかは不明ですが、アッパーはパテントで光沢もしっかりとあり、強さをさらに補強しています。
私はチャーチのグレーは初めて見たのですが、このカラーのスタッズとかついついほしくなりますね。
SYLVIE
8ホールブーツ、シルヴィ。バインダーカーフのミドルブーツというだけで十分な雰囲気ですが、加えて35mmヒールと、これまた“強い女”の代名詞的モデルです。
チャーチのブーツって本当にかっこいいですよね。ギラギラ光っていても品があります。
私ももし女性に生まれていたら、チャーチのブーツをコレクションして履き倒していたことでしょう。
むすび
本当にチャーチのフルブローグは種類が多い!
全部ショートウイングで、全部同じメダリオンというのも面白いところです。レディスでは本当に使い勝手のいいスタイルなんでしょうね。
逆にキャップトゥなんてレディスではLOWICK(短靴)とNERINA(ブーツ)くらいしか見たことありません。やはりメンズと用途やシーンが変われば、スタイルも変わってくるのです。
チャーチのフルブローグは、シルエットが細くきれいでありながらトゥがとがりすぎず、バランスの良い仕上がりです。特に35mmヒールは女性らしさと履き心地が両立されていて素敵。
高級靴を狙っておられる女性の方は、ぜひ一度手に取ってみてください。
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